泳ぐようにー決別の後ー

さっきまで、雨が窓ガラスを勢いよく打っている音がしていたと思うけど、今は小降りになったらしい。

どの位時間が経ったのか全く想像ができない。
気がつくと、自宅の部屋で寝ていた。

よりを戻す夢を見てしまった。

意地悪だから希望を持ってしまう。
あんまりに、腹がたっていたから最後に何を話していたのかよく覚えていないし、泣くのをずっと我慢していたから頭痛がする。


それなのに、夢の中で彼を許していた。
あんなに毎日、傷ついたのに、きっと彼女には何も不安なんかこぼした事ないくせに。

よたよたとバスルームに向かうと兎に角浴槽に熱いお湯を満たす為に蛇口を最大まで開くと勢いよく水が出て、やがて湯気が立ち昇る。
その後、なんとかキッチンに移動すると氷を入れた水を一気に飲み干す。

時計を確認するともう、日付をとっくに越えて日が登ろうとする時間だ。

朝じゃなきゃ......。

まだ、半分くらいしか入っていないお湯の中に無理矢理身を沈める。
気持ちいい......ような気がする。


(あなたがが決めてよ。)


その答えはやっぱり聞かせてもらえなかったけど、もしかしたら......って思ってしまう。

もしかして、自分を選んでくれないだろうか?
なんて、期待してしまう。


だって、好きだから選んで欲しい。
今でも、彼以外は目に入らない。

きっと、あの人もも自分と同じ何だろう。
ずっと、彼が好きで.......今も、彼を好きになり続けている。
あの人も自分も、縛られているんだ。
はっきり突き放されないで、真綿でゆっくりと首を絞められ苦しいのか痺れているのかも判らず、もがきながら喘ぎ続けている。
力を弱められれば、生きていても仕方ない位に絶望するのに解放して欲しいと叫び続ける。

罠にはまったのは自分の意思なのに。



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実はBLなのですが
そうじゃないようにも読めるように、書き直しました。
前後の話は、BLじゃないと
動機がいろいろ考えるのが面倒になるのですが
ここだけ抜粋すると、別に普通の恋愛でも充分かけそうですねw