無題

黒い
けれど薄い雲と山際に淡い藍色とあさぎいろとでも言うんだろうか?
そんな色が仄かに光となって繊細な彩りを加えている。

日は遠に落ちているんだろうけど
辺りはまだまだ明るい。


夏の日は意外と短い。
日が傾き河から流れてくる風は昼間は確かに真夏だが既に秋の香りさえ漂う。

そうだった、朝顔は秋の季語だ。



もう季節は秋へと移ろいでいるんだ。


私の心もこの国の季節と同じだ。
自分さえ気付かないうちに、それは本当にさり気なく移ろい色を変えていく。

ずっと愛している大切なひとへの気持ち。
ずっと好きでいるあの人への想い。


それは、本当にこの国の季節と同じに彩も温度も少しずつ淡く、でも確実に変えていく。




風が頬を掠める。


少し水が薫る。
草木が湿った香り。


雨が来るのかもしれない。


それは、多分確実に。


目を瞑り小さなイアフォンをさしこみ大好きな人の声に閉じこもる。



愛している人の事も……。
ずっと好きなあの人の事も……。
今は考えないでいよう。

大好きな声と草木と水の薫り。

その中に閉じ籠もって、ただ夏と秋の気配と微かに残る昼のひかりと夜の帷の静けさに身を委ねよう。



全ては、夢から覚めたその後に……。


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少し前に

言葉は多少違いますが

心が揺さぶられる作品に出逢うと
書きたいような
書く気を殺がれるような

みたいな話を言っていたんだけど

それ位に想われるような文章というか作品と呼べるモノを書いてみたい。

恩田陸の本で読んだんだけれど
人はだれでも一冊は本が書けるって。

プロが言うとなんか説得力ないんですが


でも、そういうのいいなぁ
夢があるよね、一般的な能力あるいはそれ以下しかない人間としては
それを励みに何か続けてみようかなと思うし


友人にも、私のコトバでそんな風に言わせたいなぁ……


なんて小さな、基
壮大な野望を抱えて。


日々精進か?