馬鹿な私

彼が目の前にいて
でも、見ないように努力していたのに


視界に嫌でも入ってくる

彼が見える度に
胸がキュッとする


やっぱり、好き

汗で濡れた揺れる髪。
結ばれた唇が声を出す為に解かれる瞬間。
伏せられた睫。
宙を泳ぐ長い指。
笑った時に刻まれる皺。

どれもが、どうしても無視出来ない
その度々に
彼を好きだと確認してしまう。



あぁ、馬鹿な私。
彼の影が私の爪先に触れて
今日一番の胸の高鳴り